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「三菱銀行猟銃立てこもり事件」元行員が惨劇の真相を語った

昭和54年1月26日、三菱銀行北畠支店に猟銃を持った男が押し入り立てこもった「三菱銀行猟銃立てこもり事件」

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人質となり重傷を負いながらも、奇跡的に助かった元行員の竹内貞夫さん(83)が、当時の生々しい真相を、「報道スクープSP激動!世紀の大事件II~目撃者が明かす新証言と封印された極秘資料」の番組内で語りました。

案内係として勤務していた竹内さんは当時47歳。給料日後の忙しい行内はあと30分で営業を終えるところでした。そこへ猟銃を持った犯人梅川昭美(うめかわあきよし)が現れます。このとき竹内さんは直感で「ヤバい奴が来たな」と思ったそうです。

カウンターに近づき天井に向かって猟銃を発砲した梅川は、カバンに現金を詰めるよう要求します。このとき男性行員が警察に通報しようとしたところ梅川に見つかり射殺されています。

その後駆けつけた警官も射殺した梅川は逃げるのをあきらめ籠城することを決め、人質たちに裏口や非常口をバリケードで塞ぐよう指示します。その指示を率先して実行したのが竹内さんでした。すでに警官2名と行員1名を殺している犯人をこれ以上刺激して犠牲者が増えるのを恐れたのです。

そして梅川は人質を並ばせ、「責任者は誰や」と怒鳴ります。すると恐る恐る名乗りでた支店長を射殺します。この時銀行の外には武装した警官隊300名が緊急配備されていました。

番組内の再現VTRでは人質は服を着ていましたが、実際には女性は全員全裸にさせられたのです。男性も上半身は裸にされました。そして人質らを盾にし42時間に及ぶ長い籠城が始まるのです。

竹内さんは梅川に目をつけられ、梅川の目の前に座らされました。長いにらみ合いの末至近距離から発砲。幸いにも急所をはずれましたが肩に銃弾を負い、その場に倒れました。このとき竹内さんは大量の出血をしていました。すると梅川は同僚にナイフを渡し「とどめをさせや」と指示します。同僚が「もう死んでます」と断ると「なら耳を切れや」と言います。おそるおそるナイフを竹内さんの耳にあてた同僚は切った耳を梅川に差出します。その耳を梅川は食べようとしますが「まずい」と言って吐き出しています。

死んだふりをして意識がもうろうとするなか、竹内さんは行内での梅川の様子などをはっきり記憶していたそうです。残された家族のためにも必死の思いで痛みに耐えていたのです。

梅川は籠城中ときどきキレては発砲し、行内は緊張の連続だったようです。27日には梅川の母親が警察によって呼び出され、電話に出るよう指示します。しかし梅川はこれを拒否します。梅川は母の登場に少し動揺するようなところがあったそうです。そこから梅川は少し人間らしくなったと竹内さんは語っています。

長いこう着状態が続くなか警察は強行突入の準備を始めます。1月28日の朝、疲れのみえる梅川は突入した特殊部隊によって射殺されます。恐怖の惨劇はこうして幕を閉じたのです。

竹内さんは耳を切った同僚に今でも感謝しているそうです。「よう思い切って切ってくれたと。おかげで助かったんや」そう語る竹内さんの耳は半分無く、肩は骨が砕けまさに九死に一生だったことを物語っています。

事件から35年経った今でも生々しく残る傷を見せてくれた竹内さん。無軌道な若者が増える現代に何か伝えることができればとカメラの前で語るその目は日本男児そのものでした。

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